2024年07月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2024年07月

持続可能な製造業へ、グリーン産業基準の拡大と導入を推進 インドネシア

インドネシア政府は6月8日、国内のグリーン産業基準(SIH)の拡大と導入を促進すべく、様々な政策を進めていることについて報告した。

インドネシアの製造業は成長を示しており、購買担当者景気指数(PMI)は2024年2月の52.7から3月には54.2に上昇し、拡大を示している。経済の不安定さや、効率改善、投資利益率(ROI)向上、熟練労働者不足、技術進歩への適応、需要予測や在庫管理といったいくつかの課題に直面しているが、これらの問題に対処し競争力を向上させるため、インドネシアはグリーン産業政策の実施に注力している。グリーン産業政策は、経済、環境、社会の持続可能性を重視し、温室効果ガスの排出を削減し、気候変動などの課題に取り組むことを目的としている。

インドネシアの製造業にとって、その1つとなるSIHは指針となる枠組みである。インドネシア産業省は、地方政府や業界関係者の利害関係者を巻き込みながら、この推進において極めて重要な役割を果たしている。SIHの採用は、持続可能な開発目標(SDGs)、環境・社会・ガバナンス(ESG)、そして炭素排出量を削減し、2050年までにネット・ゼロ・エミッション(NZE)を達成するというインドネシアの公約を達成するために極めて重要である。

インドネシア産業省は、市場アクセス、資金調達をサポートし脱炭素化目標のためにSIHを推進している。さらにSIHは炭素国境調整措置(CBAM)などの国際貿易規制へ対応し国産品を保護する役割を担っている。

さらに、SIH認証は、効率性の向上、コスト削減、環境管理の改善、グリーンファイナンスの利用など、企業に利益をもたらす。政府は、インセンティブと円滑化プログラムを通じてこの移行を支援し、2024年までに70の産業企業を認証することを目指している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る