ベトナム情報通信省(MIC)は6月21日、2030年までに国際通信のための光海底ケーブルを少なくとも10本新設することを発表した。
ベトナムでは国際光海底ケーブルがデジタルインフラの一部として重要であり、投資の観点から光海底ケーブルの新設が優先されることが明確に示されている。このケーブルシステムの開発は、デジタル経済の促進、デジタル社会、防衛、安全保障のための国際的な接続ブリッジを構築することを目的としている。
ベトナムの政府系企業は、国内外の企業が迅速かつ飛躍的な進歩が可能となるよう、このシステムの国際的な基盤を開拓し支援してきた。MICの戦略は、国内通信事業者が2035年までに、通信の量や容量、質の面において、この地域をリードし、巨大なクラウドサービスのプロバイダーになることである。これにより、ベトナムがデジタルインフラとデータ伝送における重要なエリアになることを目指している。MICは、これを実現するため、組織や国内外の協力、研究開発におけるワーキンググループを組織している。
ベトナムは2027年までに、新たに4本の光海底ケーブルを開通させ、公共利用を開始する。そのうち、少なくとも1本はベトナム所有とし、データ通信の総容量を少なくとも毎秒134Tbpsとする予定だ。また、主要なデジタルハブの接続先として、少なくともシンガポールや香港(中国)、日本が挙げられており、デジタルハブの接続先を定期的に検討し、適切な接続先を追加するという。さらに、2028年から30年にかけて、ベトナムの所有する1本を含めた少なくとも6本の光海底ケーブルシステムの使用を開始し、光海底ケーブルの総設計容量を最低でも350Tbpsに増強することを目標としている。この新設により海底ケーブルは少なくとも15本になるという。
MICは、電気通信局(DoT)を戦略実施の調整役として任命し、その進捗状況を毎年報告させる予定だ。DoTは実施計画に関する予備レビューの体制を構築し、次のステップに向けたタスクの修正と追加計画等を提案することになる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部