ベトナム科学技術省(MOST)は6月23日、ベトナムとロシアの科学・技術・イノベーションに関する協力について、両国が毎年持ち回りで開催する教育・科学技術協力合同委員会を通して、継続的に推進していくと発表した。
科学技術省の副大臣であるトラン・ホン・タイ(Tran Hong Thai)氏によれば、ベトナムとロシアの科学技術協力は長い伝統があり、両国の友好関係は重要で切っても切れないという。事実、ロシアが投資してきたプロジェクトは、ベトナムの社会経済発展に貢献してきた。
6月19日~20日にかけて行われたロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のベトナム国賓訪問に際して、ベトナム通信社のインタビューに応じたタイ氏は、「ベトナム民主共和国(現ベトナム社会主義共和国)とソビエト連邦(現ロシア連邦)は1950年1月30日に国交関係が樹立した後、1959年3月7日に科学技術分野の二国間協力を優先する科学技術協力協定に調印しました」と述べた。
両国は過去65年間、科学技術分野の協力に関する協定を結んできた。両国は、2014年11月、グエン・フー・チョン(Nguyen Phu Trong)ベトナム共産党中央委員会書記長のロシア訪問に際して、教育と科学技術に関する戦略的パートナーシップ協定に調印し、協力関係は戦略的レベルに引き上げられた。
MOSTは、バイオテクノロジーや新素材、エレクトロニクス、オートメーション、社会科学、人文科学、経済学に関連した60近くの共同研究協力課題を実施する資金提供のために、ロシアのパートナーと協力してきた。両国は今後、定期的にこれらの分野の優先的な方向性を確認し、資金提供の対象とする共同研究協力課題を選定する。
ベトナムがロシアと協力する優先的な方向性について、特筆すべき点は、新素材やバイオテクノロジー、海洋研究、宇宙技術、エネルギー技術、天然資源の合理的利用など、ロシアが強みを持ち、ベトナムが必要としている分野に焦点が当てられることである。
エネルギー技術の協力について、タイ氏はベトナムが2018年、ドンナイ省のロンカイン市に10MW規模の原子力科学技術センター(CNST)の建設を承認したプロジェクトについて触れ、「両国は、CNSTプロジェクトの実施に注意を払い、今後、そのための人材育成の協力を強化します」とプロジェクト推進に関する決意を述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部