タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は7月2日、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)と在タイ・ドイツ大使館の関係者によるNASTDA訪問が6月17日に行われ、代表団を歓迎したこと発表した。
(出典:NSTDA)
今回の訪問は、科学技術の国際協力を強化する継続的な取り組みを強調し、タイとドイツにおける革新的な研究と情報共有を行うための道筋を拓くものである。BMBFアジア・オセアニア協力部長であるカトリン・マイヤー(Kathrin Meyer)氏率いるBMBFの代表団と在タイ・ドイツ大使館の代表2名が参加した。
会議では、遺伝子工学や微生物を活用した農業廃棄物の利用、生物工学のための機械学習、作物の病害虫に対抗するための生物多様性の役割、農業の品質評価とホルモンモニタリングに関する光学とフォトニクスなどの話題が挙がった。代表団は、技術移転やセンサーアプリケーション、エネルギー貯蔵における両国の協力について議論し、EU-ASEAN共同資金調達のスキームが重要な手段であることを確認した。また、現在進行中の協力関係や将来的な計画に焦点を当て、両国のバイオエコノミー研究を推進するための資金調達スキームやそのプラットフォームについて議論した。
NASTDA傘下の遺伝子工学バイオテクノロジーセンター(BIOTECH)とドイツのパートナーは、BMBFの資金を活用した共同プロジェクトを進行中である。例えば、リグノプラス(LignoPlas)と名付けられたドイツのフラウンフォーファー協会との共同プロジェクトは、生体触媒と酸化により、リグニンの強固で高度な処理方法の確立を目指している。得られた誘導体は、バイオポリエステル、特にポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の発酵生産に使用する。
今後の共同研究に関しては、医薬品の有効成分や構造生物学プロジェクト、農業用水管理の改善に関する分野が計画されている。さらに、会議では、光学ベースの測定システムや研究者のためのマッチメイキング・イベント、バイオ経済に関する二国間公募について、その資金や要件の詳細に関心が集まった。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部