2024年08月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2024年08月

小売店向け在庫確認アプリ開発のスタートアップに助成金 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)の産業・エネルギー・萌芽技術評議会(PCIEERD)は、国内に100万店舗以上あるといわれる、サリサリストアのような小規模小売店のオーナーやそのサプライヤーの在庫に関するニーズに役立つアプリの開発を行うため、スタートアップのパックワークス(Packworks)社に350万フィリピンペソの助成金を提供した。国営フィリピン通信社(PNA)が7月11日に伝えた。

(出典:PNA)

PCIEERDのエグゼクティブ・ディレクターであるエンリコ・パリンギット(Enrico Paringit)氏は、「無料でダウンロードできるこのアプリは、サプライヤーとメーカーが小売店の在庫情報をリアルタイムで確認することができます」とPNAのインタービューに答えた。

パリンギット氏によると、「サリサリストアに商品の在庫が十分にあるとき、オーナーは商品の配達を受け入れないことがあります。」と述べた。そのため、開発されるアプリは、トラックドライバーがエリアごとに戦略的に商品を配送するのに役立つと期待される。

パリンギット氏は、「情報システムが一元化されれば、ドライバーは商品の補充をしやすくなります。同様に、サリサリストアのオーナーは事前に何を持ってきてもらいたいか指示することができます」と話し、これらはロジスティックスの典型的な問題であると指摘した。

パックワークス社は、サリサリストアのオーナーに対してB2B(企業対企業)の日用消費財マーケットプレイスを提供している。ニュースリリースされた情報によると、パックワークス社は機械学習を活用した精密マーケティングモデルを開発し、サリサリストアのオーナーに、売れる商品について個別の提案を行う予定だという。

パリンギット氏は、この研究プロジェクトの意義について、「モバイルアプリのデータを活用した正確なマーケティングシステムを提供することで、スタートアップだけでなく、サリサリストアのオーナーにもメリットがあると考えました。このプロジェクトの社会的利益は、データ主導の技術向上と技術革新を通じて、より高いレベルの経済生産性を達成することです」と説明した。

この研究プロジェクトは、サリサリストアのオーナーとの面談、アプリ開発、機械学習モデルの開発・展開・検証を含めて18カ月間の予定で実施される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る