2024年08月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2024年08月

3Dプリント新技術「ロボファブリック」でウェアラブル素材開発 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は7月18日、同学の研究者らが、3Dプリント技術を用いて、柔軟でありながら必要に応じて硬くすることができるウェアラブル素材を開発し、ヘルスケアやロボティクスに応用を考えていることを発表した。

この新技術は、幾何学的デザイン、3Dプリント、ロボット制御を組み合わせて開発され、「ロボファブリック」と呼ばれている。必要に応じて硬くできるため、医療機器やドローン用の手足などのソフトロボットを迅速に作ることができる。研究チームは、この新素材を用いて、より重い荷物を運ぶのに役立つ肘サポーター開発した。また、手首のサポーターも試作開発され、日常生活で関節を安定させたり、震えを経験するパーキンソン病患者に役立つ可能性がある。

研究チームのリーダーであるNTUのワン・イーファン(Wang Yifan)助教授は、「タコやセンザンコウなどの動物からヒントを得ました」と開発の経緯を語った。将来的に、ロボファブリック技術は、骨折した患者が装着する硬いギプスとは異なり、簡単に着脱できる再利用可能なギプスの作成にも使用できると期待されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る