インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は、気候変動に伴う水資源への影響を社会問題として取り上げるため、専門家によるウェビナーを7月23日に開催することを発表した。7月22日付け。
気候変動は地球の生態系や生命、社会福祉などに大きな影響を与える。これらの影響の一環として、人類の発展と安全保障に大きな影響を与える水資源の確保に関する危機が予想されている。
7月22日、インドネシアのジャカルタでBRINの副長官であるアマルーラ・オクタヴィアン(Amarulla Octavian)氏は、気候変動が水資源に与える影響として、都市部における上水道の危機や食糧不安、罹患率の増加、降雨パターンの変化、災害の脆弱性などが起こることを指摘した。同副長官は、「2010年から2017年の期間に、洪水、地滑り、干ばつ、竜巻、森林火災、高波、浸食を含む水文気象災害が887件に増加しました」と語った。
BRIN気候大気研究センターの気象学のリサーチプロフェッサーであるエディ・ヘルマワン(Eddy Hermawan)氏は、気候変動が海面上昇をもたらしていることを説明した。これにより2010年には、海面が0.4m上昇し、7408km2の土地が失われたことが分かっている。また、2050年には海面が0.56m上昇し、インドネシアの国土の3万120km2が失われると推定されている。ヘルマワン氏は、「気候変動の影響は、水資源の持続可能性だけでなく、植物の苗の植え付け時期の決定や小さい島の喪失、洪水などにも及びます」と述べた。
BRIN流域管理・陸水学・水資源研究センターの主任専門研究員であるイルファン・ブディ・プラモノ(Irfan Budi Pramono)氏は、気候変動に伴う水資源問題を克服するため、 ネイチャー・ベースド・ソリューションズ(NBS)と呼ばれる自然に根ざした解決策に大きな可能性があることを話題として上げた。
プラモノ氏は、「NBSは水資源問題を解決する唯一の方法ではないが、コンクリートを用いた従来型のインフラ機能の最適化など、他の解決策を補完するものです。気候変動に沿った水資源管理におけるNBSの実施には、政府と地域社会を含む多くの関係者が関与する必要があります」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部