マレーシア工科大学(UTM)は7月31日、チェコのプラハ・コングレスセンターにおいて、高エネルギー物理学(HEP)サブグループの下でアジア地域将来加速器委員会(ACFA-HEP)が7月23日に開催されたと発表した。
会合には東南アジア諸国連合(ASEAN)とオセアニアの高エネルギー物理学者の代表約30名が出席した。マレーシア代表として、UTMのイジアン・ハズワニ・ハシム(Izyan Hazwani Hashim)博士とマレーシア国民大学(UKM)のイムラン・ユスフ(Imran Yusuff)博士が参加した。彼らはマレーシアの学術機関で核物理学と素粒子物理学の分野でそれぞれ活躍する数少ない実験物理学者である。
会合の目的は、ASEANとオセアニアにおけるHEPに関連したコンソーシアムや研究活動を計画することであった。また、教育におけるHEPの役割や共同研究の機会、知見の共有、資源の利用など、重要な問題を確認することでもあった。
会合では、ACFA議長のジェフリー・テイラー(Geoffrey Taylor)博士と高エネルギー加速器研究機構(KEK)の岡田安弘(Yasuhiro Okada)博士が主導するセッションやディスカッションが行われた。その中で、岡田博士は、ASEANとオセアニアにおけるHEPの潜在的な能力に関する洞察や考えを示した。ジェフリー博士は、ASEANの科学・技術・イノベーション(STI)におけるリーダーシップ、STIにおけるASEAN委員会、STIにおけるASEANの戦略計画について共有した。またジェフリー博士は、ASEANのHEPコミュニティの協力の機会や活動を模索した。会議に出席した全ての代表者は、ACFA-HEPサブグループの最初のメンバーに任命された。
会合の終了後、地域コンソーシアムを立ち上げるため、ASEANを代表する作業委員が選出された。これにより、原子核・素粒子物理学、加速器物理学、中性子・光子核破砕、暗黒物質・宇宙論の4つのセクションリーダーが任命された。また、若手研究者間の活動を促進するため、日本のKEKと中国の高エネルギー物理学研究所である中国科学院高能物理研究所-IHEPのメンターとしての役割が強調された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部