2024年09月
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アジア太平洋地域の中高生対象、国際原子力科学オリンピック大会開催 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は8月5日、8月1日にパンパンガ州クラーク経済特区で第1回国際原子力科学オリンピック大会(INSO)が開催され、アジア太平洋地域の14カ国から選ばれた54人の中高生が参加し、2日間にわたり、原子力科学に関する理論問題と実験問題のコンテストが行われたことを発表した。

選手宣誓を行うフィリピンチームの中学生
(出典:DOST-PNRI)

第1回INSOはフィリピンが主催し、原子力教育の推進と原子力科学技術(S&T)の平和利用における国際協力を促進するために、国際原子力機関(IAEA)の支援を受けて、フィリピン原子力研究所(DOST-PNRI)が開催した。

レナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相は、「フィリピンが第1回INSOで理論問題と実験問題の作成および競技の監督を担当し、国内の原子力科学技術専門家を世界に紹介できることを誇りに思います」と述べた。また、この大会が、次世代の原子力科学者や技術者にとってアイデア交換や友情を深める場となり、原子力技術と放射線利用が国の発展や人類の幸福、富の創出、そして持続可能性の推進にどのように貢献するかを示す機会になると説明した。さらに、INSO参加者たちは、バターン原子力発電所やフィリピン研究用原子炉など、国内の主要な原子力関連施設を見学し、フィリピンの原子力S&Tの役割について理解を深め、地元の学校との社会文化的な交流に参加し、フィリピンの文化や歴史についても学ぶ予定であることが明らかにされた。

INSOは、20歳未満の学生を対象とした原子力科学教育の新たな世界的取り組みであり、参加者が原子力S&T分野でキャリアを目指す意欲を持たせることを目的としている。また、この大会が将来的には年次国際コンテストとして定着することを目指している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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