2024年10月
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「環境と健やかな高齢生活研究センター(ENgAGE)」を設立 シンガポール国立大学

シンガポール国立大学(NUS)は8月27日、同大学デザイン工学部(CDE)が人口動態の変化と気候変動がもたらす課題に対応し、あらゆる年齢層の生活環境の強化を主導するため、「環境と健やかな高齢生活研究センター(ENgAGE)」を設立したと発表した。

シンガポールは、2030年までにおよそ4人に1人が65歳以上となり、8万3000人の高齢者が一人暮らしをし、10万人の高齢者が軽度の障害を持つと予想されている。そのため、高齢者の多様なニーズや嗜好、要望を満たすインクルーシブな生活空間を創造することが重要となる。

ENgAGEは、高齢化社会の進展に備え、高齢者を支援する革新的な方法を模索するシンガポールの取り組みを強化する。都市計画、建築、社会科学、医学、工学などの強力な研究能力を活用し、地域に根ざした高齢化関連の研究、教育、リソースを国内外で調整し統合することが期待される。

ENgAGEは、インドラニ・ラジャ( Indranee Rajah) 首相府相兼第2財務・国家開発相によって8月27日に発足した。発足イベントでは、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局ディレクター(健康環境・人口)の岡安裕正(Hiromasa Okayasu)博士による基調講演や、アジアにおける建築環境と高齢化に焦点を当てたパネルディスカッションが行われた。

同相は、ENgAGEの設立はシンガポールの急速な人口動態変化の課題に取り組むNUSのコミットメントであると強調し、「このセンターの立ち上げはタイムリーで適切なものです。高齢化と建築環境の接点を研究テーマとするこのセンターは、デザイン、建築、社会科学から公衆衛生まで、高齢化に関連する環境問題の理解と取り組みに貴重な洞察を提供する学問分野を結集します」と述べた。

ENgAGEはシンガポールに持続可能で包括的な生活環境を創造するという目的を達成するため、研究、教育、グローバル・コラボレーション、コミュニティリソースの4つの主要分野に焦点を当てている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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