2024年10月
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国連事務総長、AI格差解消の必要性と不均衡なリスクに警鐘 フィリピン

アントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、国連と中国が上海で共催した4日間の人工知能(AI)能力構築ワークショップで講演し、発展途上国におけるAI格差の解消が急務であると強調した。国営フィリピン通信社(PNA) が9月4日に伝えた。

アントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)国連事務総長 (Anadolu photo)
(出典:PNA)

このワークショップには約40カ国の代表者が参加し、同事務総長は公式声明で「適切な規制がないと、AIは不平等やデジタル格差を拡大し、特に脆弱な人々に不釣り合いな影響を与える可能性があります」と警告した。また、「国境を超えたAIセンターの連携は、AIの進展を加速させ、データの多様性や包摂性を促進し、競争よりも協力を促進する力となります」と述べ、包摂的なAIガバナンスの構築に向けた歴史的な機会を活かすべきだと訴えた。さらに、「国連はデジタル協力を促進し、AIモデルや人材の世界的な交流を支援する独自の立場にあります」と、国際的な連携と協力の重要性を強調した。

国連総会ではこれまでにAIに関する2つの決議が採択されており、同事務総長は、AIに関する高レベル諮問機関が今月末に最終報告書を発表予定であると述べた。この報告書には、AI能力開発ネットワークの創設、持続可能な開発目標(SDGs)のためのAIに関する世界基金の設立、さらに地域ごとのAIエコシステムを促進するための世界規模のデータフレームワークの開発などが推奨されている。

中国外務省は、このワークショップが「グローバルサウス諸国にAI技術開発の現状や動向を理解させ、デジタル格差を解消する助けとなることを目指しています」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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