シンガポールの南洋理工大学(NTU)は9月12日、NTUとアリババ(Alibaba)グループが、シンガポール国立研究財団(NRF)の研究・イノベーション・企業(RIE)2025計画の支援を受け、アリババ・NTU・グローバル・e-サステナビリティ・CorpLab(ANGEL)を設立したと発表した。
アルツハイマー病などの早期診断と早期介入を支援するAI搭載のゲームを見るヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相(左)とNTUのホ・テック・フア(Ho Teck Hua)学長(中央)
(出典:NTU)
新しく設立されたANGELは、持続可能な技術を進歩させ、産業界と公共部門の研究者間のコラボレーションを促進することを目指している。研究所の発足式には、NRFのヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相兼理事長、NTUのホ・テック・フア(Ho Teck Hua)学長、アリババのウー・ゼミン(Wu Zeming)最高技術責任者(CTO)が出席した。
ANGELは、持続可能なエコシステムとライフスタイルを優先する新しいデジタル技術の開発と実証試験を推し進める。これらの取り組みは、シンガポールのスマート・ネーション・イニシアティブや、グリーン・データセンター・マスタープランに沿ったものである。
今回の発足式では、ANGELが掲げる10の主要な課題の説明が行われ、持続可能性の実践を推し進めるためのANGELグリーンAIホワイトペーパーが発表された。ANGELのプロジェクトには、サプライチェーンにおける二酸化炭素排出量の削減や、環境に優しい行動の促進、高齢化社会に向けて個別に適正な介入を行うためのヘルスケアモデルの推進などが含まれている。
NTUとアリババグループのコラボレーションは5年間の予定である。両組織から集まった科学者やエンジニアからなる最大200名の合同チームが、エネルギー効率の高いAIアルゴリズム、グリーンクラウドコンピューティング、持続可能性の基準と指標、持続可能な生活、高齢化と健康のためのデジタル技術など、10の分野でグローバルな研究活動を実施する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部