インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は9月17日、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の人類と生物圏(MAB)計画によって公示されている20の生物圏保護区のうち、7つの保護区に関して定期レビューを実施したことを発表した。
公示されている20の生物圏保護区は、生物多様性が豊かな熱帯林として世界的にも重要な地域であり、研究基盤、ガバナンスの強化、利害関係者との調整など、ユネスコが認める環境管理ガバナンスのプラットフォームとしての役割を果たしている。これら保護区の管理が確立された持続可能性の基準に沿っていることを確認するため、10年ごとに定期レビューが行われている。今回、BRINは、9月18~19日にかけて、インドネシアの7つの生物圏保護区(ロイサー、シベルト、ブロモ・テンガー・セメル・アルジュノ、タンジュン・プティン、タカボネレート、ロレ・リンドゥ、コモド)の定期レビューを行った。
MABインドネシア国内委員会のママン・トゥルジャマン(Maman Turjaman)委員長は、「生物圏保護区の開発は、景観に基づくアプローチが不可欠であり、保護地域を人間活動に関わる緩衝地域や移行地域を含む、より広い生態系の一部として理解することが重要です。定期レビューにより、自然資源の保護、生態系ガバナンス、持続可能な経済開発、地域コミュニティの関与など、生物圏保護区管理のさまざまな側面を評価し、持続可能な開発目標(SDGs)などの国際的な気候変動緩和プログラムの達成に向けて、努力を進めていきます」と語った。
一方、BRINのメゴ・ピナンディト(Mego Pinandito)開発政策担当副代表は、「レビューの実施を通して、国際基準で生物圏保護区の管理・運営を行っています。生物圏保護区は生物多様性の保全だけでなく、持続可能な開発のモデルとしても非常に重要な自然の実験場です。BRINは、持続可能な研究アプローチと環境ガバナンスの革新を通じて、こうした取り組みを引き続き支援していきます」と活動の重要性を強調した。
今後、パリのユネスコMAB事務局に提出される7つの定期レビュー報告書や、政策概要書が作成される予定である。さらに生物圏保護区管理におけるインドネシアの経験を国際社会と共有するための国際的な出版物も準備される予定である。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部