2024年11月
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電気はり療法が肥満管理に役立つ証拠を発見 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は10月8日、NTUと香港大学(HKU)の研究者が、中国伝統医学(TCM)の1つである電気はり療法が肥満の管理に利用できるという証拠を発見したと発表した。

(出典:NTU)

はり治療の一種である電気はり療法は、ツボと呼ばれる身体のさまざまな部位にはりを刺し、ツボを刺激するために微弱な電流を流す。TCMでは、この刺激が身体の自然治癒力を引き出すと考えられている。NTUとHKU中医薬学院の研究チームは、実験室での実験や学術誌で発表した臨床試験を通じて、電気はり療法が肥満者や高脂肪食を与えたマウスの肥満を改善することを示した。

電気はり療法は、骨代謝において重要な役割を果たすオステオプロテゲリンと呼ばれるタンパク質を標的としている。香港バプティスト大学の共同研究者を含む研究チームでは、このタンパク質が脂肪細胞の形成と肥満の進行に重要な役割を果たしていることを明らかにし、肥満管理の潜在的な標的であることを示した。

世界の人口の8人に1人が肥満であることを踏まえると、肥満管理は一般的なヘルスケアに組み入れる必要があると考えられる。研究チームによると、この研究成果は電気はり治療が肥満管理の有望な治療法であることを示している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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