フィリピン科学技術省(DOST)は10月9日、DOSTの人工知能(AI)とロボット工学の研究開発プログラムの航空部門を担うアシモフ・ホークス(ASIMOV-HAWKS)のメンバーが、ソクサ―ジェンで開催された地域科学・技術・イノベーションウィーク(RSTW)2日目のシンポジウムにおいて、作物の病気検出や管理などのソリューションを提供するHAWKS AIを開発したと発表した。
HAWKS AIによる植物検出のライブデモ
HAWKS AIは、空中作物管理や病害虫検出などのアプリケーション向けに設計されたAIによる意思決定支援システムである。このシステムには、自動化機能、航空測量とマッピング、ユーザー体験を向上させるための機能が搭載されている。HAWKS AIを使うと、カメラを搭載したドローンがリアルタイムの映像を映し、作物の病気の検出や在庫管理などが可能になる。
ASIMOV-HAWKSのHAWKS AIドローン技術
(出典:いずれもDOST)
ASIMOV-HAWKSのホセ・イルデフォンソ・U・ルブリコ(Jose Ildefonso U. Rubrico)博士は、「私たちの使命は、アグリバナナ産業などにおける根強い課題に対して、適切なソリューションを提供することです」と話し、AIによるロボット技術開発におけるASIMOV-HAWKSの役割を強調した。
このシンポジウムでは、他にもウェイスト・フォー・グッド・テクノロジーズ(Waste4Good Technologies)社のCEO兼エンジニアのロリリン・P・ダキオアグ(Lorilyn P. Daquioag)氏による農業における精密性と廃棄物管理の議論や、スルタン・クダラット州立大学の食品イノベーション・栄養研究所所長であるシリル・ジョン・A・ドミンゴ(Cyril John A. Domingo)博士によるハラール認証のヤギ肉製品の開発の議論が行われた。さらにDOSTのフィリピン研究会議(NRCP)のエグゼクティブ・ディレクターであるベルナルド・N・セペダ(Bernardo N. Sepeda)博士は、NRCPの概要とプロジェクトの紹介を行った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部