シンガポールの南洋理工大学(NTU)は10月29日、研究、イノベーション、エンタープライズ(RIE)デーで、ヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相兼国立研究財団(NRF)会長が、NRF、シンガポール国立大学(NUS)、NTUの協力による国立大学院研究イノベーションプログラム(National GRIP)の開始を宣言したと発表した。
(出典:NTU)
National GRIPは2025年1月に開始され、シンガポールのイノベーションエコシステムへの重要な投資と位置づけられ、今後5年間で5000万シンガポールドルの財政的・現物的支援が行われる。
National GRIPはNUSのGraduate Research Innovation Programme 2.0 (NUS GRIP 2.0)とNTUのLean Launchpad (LLP2.0)という2つ合わせて400以上のスタートアップチームを支援し、160社近いスピンオフ企業を輩出したインキュベーター・プログラムを統合する。構造化されたフレームワークの中で、アイデアの洗練、市場ニーズの検証、強力なビジネスモデルの開発を通してスタートアップチームを指導することにより、科学研究と商業化のギャップを埋めることを目的としている。
参加者は12カ月間のプログラムの中で、業界リーダーによる個別指導と専門家の膨大なネットワークへのアクセスの恩恵を受けることができる。National GRIPでは2028年までに最大300のスタートアップチームを、2030年までに150社以上のスピンオフ企業を育成し、ディープテック起業におけるシンガポールの世界的地位向上を目指す。
NTUのルイス・フィー(Louis Phee)副学長(イノベーション・アントレプレナーシップ)は、「シンガポールを代表する2つの大学が連携し、イノベーションと起業家精神で国内のすべての大学をリードすることは、国家にとって非常に大きなチャンスです。両校の強みと経験を組み合わせることで、シンガポールで最高の人材を発掘・育成することができます。National GRIPを通じて、投資価値の高いディープテックスピンオフ企業になることが期待できるベンチャーを育て、シンガポールに良い経済的リターンをもたらすことを目指します」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部