フィリピンのロバート・バーバーズ(Robert Barbers)下院議員は、フィリピン人のスキルを向上させ、企業の生産性を高め、経済の競争力を強化するために、AI(人工知能)革命に対応する複数機関を統括する組織が必要だと述べている。国営フィリピン通信社(PNA)が10月27日に伝えた。
(出典:PNA)
バーバーズ氏は、スリガオ・デル・ノルテ第2区選出の下院議員で、下院4部委員会と危険ドラッグ委員会の総合議長を務めている。バーバーズ氏は「世界のほとんどの国は、AIに関する知識の継続的な発展に関する国家政策や法律をすでに策定しています。フィリピン人もAIを受け入れる必要があります。AIは我々の社会、特に教育、ビジネス、経済に大きな影響を与えるからです」と述べる。フィリピンでは、科学技術省、フィリピン大学、教育省などの政府機関がAIに関する政策を策定しているか、現在策定中だ。しかし、戦略的・体系的にAIを扱い、規制する国家機関はまだない。
バーバーズ氏は昨年、AI開発庁の設立を推進する下院法第7396号を提出した。同庁は、国家AI戦略の策定と実施における任務、義務、責任を負うものとなる。法案はAIの開発と規制のための包括的な枠組みを定めたもので、AI技術における差別や偏見を防ぐことを目的とした、個人のプライバシーやデータを保護する条項も盛り込まれている。バーバーズ氏は「AIが急速に技術進歩する段階における、利益の最大化と、悪影響の最小化のために対処しなければならないリスクと課題を提起しています」と説明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部