インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)とロシアの国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)社は、ロシアの2つの大学と共に、インドネシアの原子力科学技術分野の人材育成を図るために、原子力若手人材フェスト2024を開催した。インドネシアのポータルサイトPortal Informasi Indonesiaが11月1日に伝えた。
BRINとロスアトム社はロシアの2大学とともに、インドネシアの原子力科学技術人材を育成するため、インドネシアで「原子力若手人材フェスト2024」を開催
ANTARA FOTO/ Galih Pradipta (出典:Portal Informasi Indonesia)
インドネシアの原子力技術の利用は、70年前に始まったが、BRINの設立以降、インドネシアの原子力研究と開発は統合されてきた。その取り組みの1つが、BRINとロスアトム社との協力による、放射性同位元素や放射性医薬品の製造技術の開発だ。ロスアトム社は、世界有数の原子力開発企業であり、70年以上の平和的原子力開発の経験を有している。BRINとロスアトム社との協業は、健康や食品などの非エネルギー分野における原子力利用の具体的な課題を探求することを目的としている。
今回のイベントは、「原子力の高等教育プログラムの促進と発展」をテーマとし、10月14~15日はジョグジャカルタのバイクニ科学教育エリア(KSE)、10月17日はバンテン州南タンゲラン市のスルポンにあるBJハビビ科学技術エリア(KST)で開催された。
BRINの科学技術人事担当副官であるエディ・ギリ・ラクマン・プトラ(Edy Giri Rachman Putra)氏は、このイベントがインドネシアの研究人材をロシアの大学や研究機関と結びつけることも目的としているとし、「BRINとトムスク工科大学の間には研究学位(DbR)プログラムに関する協力関係があります。現在この制度を利用して、博士課程(S3)の学生4名と修士課程(S2)の学生1名がロシアで学んでおり、DbRプログラムの第2フェーズが進められています」と語った。
BRINは、ロシアのインドネシア人学生や教員、研究者の支援と、インドネシアのロシア人研究者の活動を促進するため、共同研究訪問やポストドクター、客員研究員、客員教授などのプログラムを提供している。また、インドネシア教育基金(LPDP)と提携し、インドネシアの研究人材を対象とした博士課程奨学金制度を提供している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部