ベトナム情報通信省(MIC)は11月6日、今日のサイバー犯罪の主な原因の1つである、組織や個人からの情報漏洩を防ぐために行われている取り組みと進捗を紹介した。
公安省サイバーセキュリティ局のディレクターであり、国家サイバーセキュリティ協会の副会長であるグエン・ミン・チン(Nguyen Minh Chinh)中将は、オンライン攻撃、データ盗難、個人や組織データの販売が複雑化することで、さまざまな犯罪手法が急速に進化しており、多くの場合、計画的で標的化されていると述べた。
ベトナムでは2024年上半期、大手組織のユーザーを標的としたフィッシングドメインが2364件見つかり、2023年の同時期と比較して、1.2倍に増加している。ランサムウェア攻撃では、3テラバイトのデータが暗号化され、推定1000万米ドルを超える損失が発生した。これらの問題の主な原因は組織や個人のデータ漏洩の過失による漏洩である。公安省は、オンライン詐欺の3つの主要なタイプ(ブランド偽装、アカウント乗っ取り、複合詐欺)について警告し、24の詐欺手法を紹介した。
ソフトウェアとテクノロジーを専門とするIGBジョイント・ストック・カンパニー(IGB Joint Stock Company)のヴー・スアン・グエン(Vu Xuan Nguyen)取締役会会長は、企業に対し、多要素認証(MFA)やアクセス・コントロール管理など、データ漏洩防止策を導入するよう助言している。
国家サイバーセキュリティ協会は、スマートフォン用の無料不正防止アプリであるnTrustをリリースした。アプリ利用者が電話番号や口座番号、ウェブサイトのURL、QRコードについて過去の記録から検証することができるものだ。また、同協会は10月8日、VnDPO個人情報保護スペシャリスト研修プログラムを正式に開始した。研修生は集中的なトレーニングを受け、プログラムの60%は実践練習に焦点が当てられる。
さらに、MICの情報セキュリティ局は、全国迷惑ドメイン警告システムを通じて、2024年6月までに3170件のオンライン詐欺サイトをブロックし、1000万人以上の国民を詐欺サイトや違法行為から保護したことを発表した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部