インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は11月20日、BRINの研究者が、ココナッツオイルをバイオジェット燃料に変換するための金属有機構造体(MOF)ベースの触媒を開発したと発表した。
世界は化石燃料に依存しており、人口の急速な増加に伴い、エネルギーの需要は増加している。BRINは、この課題に対処するため、持続可能なソリューションを見出すためのイノベーションに取り組んでいる。11月21日、BRINは「インドネシアから ココナッツオイルベースのバイオジェット燃料の可能性を探る」をテーマにしたメディアラウンジディスカッション(MELODI)フォーラムをジャカルタのB.J・ハビビ・ビルで開催し、ココナッツオイルを生産的で効率的にバイオジェット燃料に変換することが期待されるMOFベースの触媒について発表する。
BRINの化学研究センターのアソシエイトリサーチャーであるデリアナ・ダナム(Deliana Dahnum)氏は、バイオジェット燃料は植物油を原料とする再生可能エネルギーの1つであると説明した。ココナッツオイルをバイオジェット燃料に変換するには、効率的な触媒プロセスが必要とされ、MOFが注目されている。ダナム氏は、「インドネシアには、ココナッツオイルという天然資源がたくさんあるので、大きな可能性があります。この触媒の開発は実験室での試験段階に達しており、エネルギーの持続可能性を最大限に高めるため、食用に適さないココナッツも含め、より大規模に開発できる可能性を示しています」と述べた。
この研究は環境に優しい燃料の生産を支援する、地域資源を活用したイノベーションの1つである。ダナム氏は、この研究をさらに発展させ、バイオジェット燃料の実現をより高度な段階に加速させることを目指している。彼女は、この研究により、他の4名の女性研究者とともに、2024年のロレアル-ユネスコ女性科学者賞を受賞した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部