タイのチュラロンコン大学は、汗の臭いでストレスやうつ病を検出する研究の成功についてチュラロンコン大学の教授が米国CNNにインタビューされ、サンジェイ・グプタ(Sanjay Gupta)博士の番組「Vital Signs」で世界的に報道されることになったと発表した。
チュラロンコン大学サッパサストラヴィカヤ校舎の科学技術研究センターで、CNNのレポーターがチュラロンコン大学医学部予防社会医学科のパットワライ・シリナラ(Patthrarawalai Sirinara)講師にインタビューを行った。インタビューでは、ガスクロマトグラフイオン移動度分光計(GC-IMS)装置を使って汗の臭いに含まれる化学物質を分析し、ストレスやうつ病の患者を効果的に診断するプロセスについて説明した。またCNNは、チュラロンコン大学の研究チームがブリラム病院の看護師35人のグループの汗に含まれる化学物質を用いてストレススクリーニングを行ったことも報じた。
チュラロンコン大学医学部と理学部の研究チームによる、汗に含まれる化学物質がストレスやうつ病のレベルを示すことを突き止めたこの研究は、パンデミック時に汗の化学物質を用いたCOVID-19スクリーニングツールの開発に基づいている。バンコクの消防士を対象に実施した初期の研究では90%の精度を確認している。研究チームは、看護師を手始めに、リスクの高い他の職種でもスクリーニングを拡大しており、近い内にGC-IMS装置を一般利用できるようにする予定だ。
(2024年11月26日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部