2025年01月
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エレクトロニクス技術で、環境に配慮したデバイス・システムの開発 インドネシア

インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は、エレクトロニクスリサーチセンター(PRE)を通じて、エレクトロニクスの研究とイノベーションを奨励し、さまざまな分野における環境に配慮したデバイスやシステムの開発に注力していることを発表した。

グローバル化が進む現在、エレクトロニクス技術は急速に発展し、人間生活のさまざまな側面に大きな影響を与えている。世界で4番目に人口の多い国であるインドネシアは、この技術開発の主要プレイヤーとなる絶好の機会を手にしている。BRINはPREを通じて、環境、エネルギー、健康、減災、交通、通信などさまざまな分野に応用される電子機器やシステムの研究開発に注力している。また、PREは実施される研究が環境に配慮する原則に沿ったものであることを保証している。

PREのユスフ・ヌル・ウィジャヤント(Yusuf Nur Wijayanto)所長は、PREの強みの1つは有能な科学技術人材(HR)であると語る。これを支えるのがマイクロ・ナノエレクトロニクス研究所、デバイス特性評価研究所、システム試験設備などの十分な研究インフラと、競争的な研究資金だ。一方で研究成果の実用化を加速するためには、産学官連携の確保という課題に直面している。ユスフ氏は研究成果を一般に普及させるプロセスや生産材料のサプライチェーンの開発など、研究後の相乗効果の重要性を強調する。

BIRNは持続可能でインパクトのある研究エコシステムの重要性を認識しており、リサーチコラボレーションセンターや新興企業への支援といったプログラムを、エレクトロニクスのイノベーションを強化するための戦略的なステップとしている。学術界、産業界、研究機関の間で緊密な協力体制を確立することで、インドネシアの技術的自立と国際競争力向上を目指す。「相乗効果と相互尊重に満ちた協力により、解決的で持続可能、かつ影響力の大きいエレクトロニクスの研究とイノベーションを通じて、人道的な先進社会に向かって進んでいきましょう」とユスフ氏は述べた。

(2024年11月27日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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