タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)およびEU-ASEAN地域対話文書・強化版(E-READI)を通じて欧州連合(EU)と協力して行われた研究基盤に関する国際会議(International Conference on Research Infrastructures: ICRI 2024)にて、東南アジア諸国連合(ASEAN)サイドイベントを主催したことを伝えた。
(出典:NSTDA)
ICRI2024は2024年12月3~5日にオーストラリアのブリスベンで開催された。「研究インフラ協力の新たな機会を探る」と題されたASEANサイドイベントは、ASEANの研究インフラの可能性を強調し、国際協力を促進することを目的としていた。
セッションは、ASEAN事務局のズリーナ・モクタール(Zurina Moktar)博士による講演が行われ、ASEAN地域研究インフラストラクチャー戦略(ASEAN RRI)について、ASEAN RRIの秘書でありNSTDAの国際関係担当官でもあるスロンカノック・タンジャイジット(Sronkanok Tangjaijit)氏がプレゼンテーションを行った。EUの専門家であるヨスタイン・K・スンデ(Jostein K. Sundet)博士は、ASEANの研究インフラに関する詳細な調査結果について説明し、展望を述べた。
また、「Emerging Research Infrastructure Hubs(新たな研究インフラ拠点)」というテーマでは先進的な研究施設で国際的な評価を得ているASEAN諸国が紹介された。NSTDAナノテクノロジー・センターのエグゼクティブ・ディレクターであるウラチャ・ルクタノンチャイ(Uracha Ruktanonchai)博士は、タイの研究インフラについて紹介した。 インドネシア国立研究革新庁(BRIN)の原子力施設管理部長であるR・モハマド・スベクティ(R.Mohammad Subekti)博士は、インドネシアの研究の進歩に関する洞察を披露した。シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)研究室エグゼクティブ・ディレクターのヘイゼル・クー(Hazel Khoo)博士は、シンガポールの最先端の研究インフラについて議論した。
このイベントは、関係国に対して、東南アジアを国際的な研究協力における重要なプレーヤーとして位置づけ、将来の地域パートナーシップの舞台を整えるとともに、世界的な研究インフラ・コミュニティを前進させる重要な一歩となった。
(2024年12月16日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部