ベトナム情報通信省(MIC)は1月2日、政府が国会に提出したデジタル技術産業法案が、ベトナムの半導体産業の発展の基盤を築き、人工知能(AI)アプリケーションの促進と持続可能な管理の指針になることが期待されていると発表した。
ベトナムは半導体産業が最も急速に成長している国の1つであり、多くの半導体大国と戦略的パートナーシップを結んでいる。半導体産業は、デジタル技術産業における重要な1分野である。ベトナム政府は半導体産業を含むデジタル技術産業の発展を図るため、第15期国会第8回会議において、デジタル技術産業法案を提出した。
半導体産業は現在、経済や社会の発展に影響を与える基幹産業となりつつある。この法案は、多くのグローバル企業がベトナムへの投資に関心を示す中、ベトナムが投資シフトの波を先取りするための実用的な要件を速やかに満たすという意味において、非常に重要な内容となっている。
この法案では、半導体チップではなく半導体産業という章を新たに規定し、半導体産業開発戦略の目標や管理目的、半導体産業開発戦略に従い、その活動における包括性や完全性を確保する。また、政府に対して、各期間における開発のための戦略や政策を策定することを求めている。
さらに、この法案は半導体産業発展に関する規制に加えて、AIの奨励や開発、適用、リスクの管理と最小化のための措置を確保するための規制に章を割き、デジタル技術の責任ある利用や信頼の促進、人間の安全確保を求める。
ベトナムは、政府の支援政策から、外国投資の誘致まで、AIを促進するための多くの好条件を揃えている。また、ベトナムの多くの企業は、応用研究で優れた成果を上げ、AIエコシステムの基盤構築に貢献することで、ベトナムが地域の技術センターになるという目標を支援している。
このデジタル技術産業法案は、AIが人々の繁栄や幸福に貢献し、人間を中心に据えることを求め、生産性や作業効率の向上、包括的で公平なアクセスの提供、倫理観や人権の尊重、プライバシーの保護、透明性や説明可能性、説明責任、アルゴリズムやAIモデルなどを制御する役目を持っている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部