シンガポール国立大学(NUS)は1月21日、NUSコンピューティング学部がシー・リミテッド(Sea Limited)社からの寄付により、最先端の2棟の研究教育棟を正式にオープンしたと発表した。
シー・ビルディング(左)とシー・コネクトの外観
(提供:NUS)
新しい研究教育棟は、シー・ビルディングとシー・コネクトと呼ばれ、総面積2万1570m²に及ぶダイナミックで汎用性の高いスペースを提供する。これらの建物は、最先端の研究や教育、コラボレーションに対するNUSの大胆な野心を駆り立て、人工知能(AI)やデータサイエンスなど、急速に進化するコンピューティング分野の研究に活用される。
シー・ビルディングとシー・コネクトは、NUSが2021年にシー・リミテッド社から5000万シンガポールドルの寄付を受けたことに敬意を表して命名された。この寛大な寄付は、NUSコンピューティング学部が企業から受けた寄付としては最大規模であり、奨学金やフェローシップ、助成金にも充てられ、才能ある人材の確保や先進的な研究の推進に対する大学の取り組みを強化する。
チャン・チュンシン(Chan Chun Sing)教育相は、NUSの学長であるタン・エン・チャイ(Tan Eng Chye)教授や、シー・リミテッド社の会長兼CEOのフォレスト・リー(Forrest Li)氏と共に来賓として、開所式に出席した。
同教育相は式典の中で、シー・リミテッド社がNUSにもたらすのは寄付金だけでなく、シンガポールの競争力を定義するパートナーシップであると指摘した。同相は、シンガポールは国土や資源、人口において制約を受けるが、スピードやネットワーク、アイデアで勝負できると強調した。そして、NUSとシー・リミテッド社のパートナーシップは、シンガポールが競争力を維持し、歴史的な逆境に打ち勝つためのベンチャー企業に参加するきっかけを、多くの人々に与えることを強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部