シンガポールの南洋理工大学(NTU)は1月23日、NTUリーコンチアン医科大学(LKCMedicine)傘下の呼吸器疾患研究センター(TARIPH)が、シンガポールで初となる呼吸器の健康に関する研究助成金を獲得し、多機関共同研究プログラムを開始すると発表した。
この多機関共同研究プログラムは、TARIPHがシンガポール国立研究財団(NRF)の支援を受け、保健省(MOH)傘下の国立医学研究会議事務局を通じて管理される1000万ドルのオープンファンド-大型共同研究助成金の下、パートナー機関と協力して呼吸器の健康に関する患者中心のトランスレーショナルリサーチを実施する。
このプログラムでは、9つの機関の研究者が集まり、統合された5つのテーマを対象にアジア地域を中心とした肺の健康に関する研究を行う。具体的には、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、シンガポールにおける慢性肺疾患の増加や、集中治療後の患者に対する治療法について調査を行う。
さらに、気候変動に関連した新たな呼吸器の健康の影響や、シンガポールの気候や環境要因が呼吸器アレルギーや呼吸器疾患の発症に及ぼす影響に関する調査、肺疾患を対象とした個別治療の研究を目的とした気道細胞モデルの国家リポジトリの構築などを行う計画となっている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部