フィリピン科学技術省(DOST)の大臣らがタイを訪問し、科学技術の協力強化のための会談を行った。国営フィリピン通信社(PNA)が1月23日に伝えた。
会談を行うDOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum, Jr)大臣(左)とタイのスパマ・イサラバクディ(Supamas Isarabhakdi)高等教育相
(出典:PNA)
DOSTは、この会談に関連して、「長年のパートナーの1つが、タイであることを喜ばしく思います」とニュースリリースを発信した。会談では、DOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum, Jr)大臣が、DOSTの目標や人間の幸福、富の創出と保護、持続可能性に基づく取り組みを強調した。受入れ先のタイ高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)のスパマ・イサラバクディ(Supamas Isarabhakdi)高等教育相は、健康科学や人工知能(AI)、電気自動車、半導体、エネルギー、核融合、宇宙技術に関する最先端の研究と高度なスキルを持つ人材育成に重点を置いていると述べた。
DOSTはフィリピンとタイの科学・技術・イノベーション(STI)関係を継続し、拡大していくという両国の決意を再確認したと述べている。また、イサラバクディ高等教育相からは、「両国と地域開発に利益をもたらす重要な協力分野の開拓に関して、タイの研究機関がフィリピンの研究機関と協力できることを嬉しく思います」と発言したことが伝えられた。
フィリピン農水産業天然資源研究開発審議会(DOST-PCAARRD)とタイ科学技術研究所(TISTR)は2024年1月21日、有機肥料の生産や組織培養、品種改良と選別、病害虫管理、ポストハーベスト技術における協力関係を促進するために合意覚書(MoA)を交わした。ソリダム大臣は、「このMoAは、フィリピンとタイのSTI協力をさらに強化し、拡大するという私たちの取り組みを明確に示しています。これは、両国の優先事項であり、強みである農業に関する協力を促進します」と述べた。
DOSTは、タイ訪問中に話し合われたその他の協力分野として、革新的な農業、医学、食品加工、ナノテクノロジー、シンクロトロン利用と応用、地滑り予測、高性能コンピューティングとAI、人材育成と流動性などが挙げられたことを明らかにした。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部