(出典:NTU)
シンガポールの南洋理工大学(NTU)は2月11日、NTUの研究チームが、人はディープフェイクに繰り返し接すると、それを信じる可能性が高くなることを明らかにしたと発表した。
アメリカのメディアパーソナリティであるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんがオンライン上の人々を金銭目的で操作している、という偽の情報の人工知能(AI)を使ったフェイク動画がソーシャルメディアで拡散された。この事例によると、同じ動画をオンライン上で再び目にした場合、それを信じる可能性が高くなることをNTUが実施した多国間の研究で明らかにされた。この研究は、8070人の国際的な参加者を対象にして行われた。
さらに、研究の一環として、シンガポール、中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、米国、ベトナムの参加者に、ソーシャルメディアで拡散された3人の著名人(フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)、ロシア大統領のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)、俳優のトム・クルーズ(Tom Cruise))のディープフェイクを見せたところ、同様の結果が再現された。
NTUの研究者らは、ディープフェイクの信憑性に対する認識の各国における違いについても調査した。その結果、8カ国の中でシンガポールの回答者がディープフェイクに最も騙されにくく、次いでベトナム、フィリピンの順になることが明らかにされた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部