2025年03月
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パーキンソン病のスクリーニングアプリをリリース タイ・チュラロンコン大学

タイのチュラロンコン大学は2月13日、チュラロンコン王記念病院とタイ赤十字社が、パーキンソン病のリスクスクリーニング用アプリであるCheck PDをリリースしたと発表した。

このアプリの記者会見が1月25日、チュラロンコン王記念病院で行われた。会見の冒頭、タイ赤十字社事務局長のテジ・ブンナグ(Tej Bunnag)博士と、チュラロンコン大学医学部長でチュラロンコン王記念病院院長のチャンチャイ・シッティポン(Chanchai Sittipunt)准教授の挨拶が行われた。その後、パネルディスカッションやCheck PDのデモンストレーションが行われた。

ブンナグ博士は、パーキンソン病は高齢者に一般的な神経変性疾患の1つであり、神経疾患の中でも最も高い増加率を示していると説明した。東南アジアにおけるパーキンソン病患者は、2040年までに倍増すると予想されており、高齢化社会に入ったタイでは、加齢、遺伝、生活習慣、環境などの要因により、患者数はさらに増加すると考えられる。

シッティポン准教授は、Check PDアプリは、デジタル技術やビッグデータ分析、人工知能(AI)を活用したパーキンソン病の症状診断を支援する画期的なものであると述べた。早期発見は、適切な治療計画と治療を行う上で極めて重要であり、病院が掲げる医療イノベーションの創出、現代的な利用しやすいサービスの開発、国民の生活の質の向上という戦略に沿ったものである。

Check PDアプリは、パーキンソン病のリスクのある人々が健康で持続可能な生活の質を達成するために、医療や予防、治療を適切に計画できるようにすることを目的としている。このアプリでは、20の質問からなる25分のテストにより、40歳以上の人々がパーキンソン病のリスクを自己診断することができる。このテストには、質問のほかに、指の動きや震え、バランス、声に関するテストが含まれており、90%の精度で即座に結果が得られる。このアプリは、App StoreやPlay Storeで入手できるようになっている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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