2025年03月
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デジタル投資額が過去最高の1636億リンギットに到達 マレーシア

マレーシアデジタルエコノミー公社(MDEC)は2月27日、2024年のデジタル投資額が過去最高の1636億リンギットに達し、2023年の468億リンギットから大幅に増加したことを発表した。

MDECによると、マレーシアの強力なインフラと戦略的な官民パートナーシップが、投資家の信頼を高める要因となっているという。特に、人工知能(AI)や量子コンピューティング分野への取り組みが加速し、グローバルな高付加価値投資を引き寄せているという。この発表は、マレーシア投資開発庁(MIDA)が2024年の国内総投資額が前年比14.9%増の3785億リンギット(史上最高額)に達したと報告したことに続くものであり、同国の経済成長の勢いを示している。MDECのアヌアル・ファリズ・ファジル(Anuar Fariz Fadzil)CEOは、「MDECはMIDAや他の政府機関と緊密に連携し、さらなる戦略的投資を誘致しています」と述べた。

海外直接投資(FDI)の面では、シンガポールが570億リンギットで最大の投資国となり、次いで米国(230億リンギット)、中国(120億リンギット)、オーストラリア(26億リンギット)、インド(20億リンギット)が続いた。一方、国内直接投資(DDI)も増加傾向にあり、クランバレー(1360億リンギット)、ジョホール(220億リンギット)、ペナン(30億リンギット)、サバ(4億2300万リンギット)などが主要な投資先となり、デジタル化の全国的な推進と、地域を超えた経済拡大を示している。

特にデータセンターとクラウドインフラへの投資は急成長し、2024年に承認された投資全体の76.8%を占め、2023年の55.5%から大幅に上昇した。そのためマレーシア政府はデータセンター専門タスクフォースを設立し、長期的な成長と環境責任のバランスを取ることを目指している。アヌアル氏は「MDECはこの投資の勢いを維持し、MIDAと協力しながら2025年の目標である5%成長の達成に向けて確固たる姿勢で臨みます」と意義を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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