シンガポール国立大学(NUS)は3月10日、NUSのスピンオフ技術であるAutoCodeRoverと呼ばれるソフトウェア開発用の自律型人工知能(AI)エージェントが、コード品質とコードセキュリティソリューションの世界的リーダーであるソナー(Sonar)社に買収されたと発表した。
この革新的な技術は、NUSコンピュータ学部(NUS Computing)のアビク・ロイチョードリー(Abhik Roychoudhury)教授のチームによって開発された。買収によって、革新的なプラットフォームがソナー社のコード開発を促進させ、ソフトウェアエンジニアリングとAIエージェントのイノベーションの推進を通して、NUSの研究力を世界に誇示する。また、このパートナーシップは、シンガポールで新たな研究開発(R&D)の雇用の創出をもたらす。
ソフトウェアエンジニアリングの自動化は、ソフトウェア開発者にとって長年の目標であった。過去数十年間、ソフトウェア開発の一部を自動化させることによって、開発者の能力と効率を高めてきた。
AutoCodeRoverは、最先端の言語モデル(LLM)と高度なコード検索機能を組み合わせ、ソフトウェアエンジニアリングの問題を自動的に解決する初期のAIエージェントの1つである。 これは、デバッグや問題修正、コードのリファクタリングなど、ソフトウェア開発の主要なステップを自動化し、開発者がエンジニアリング上の課題に効率的に取り組むことを可能にする。
AutoCodeRoverの共同創設者でもあるロイチョードリー教授は、「AutoCodeRoverは、日常的なタスクを自動化することで、開発者がイノベーションと創造的な問題解決により多くの時間を割けるようにし、高品質のアプリケーションの提供を加速させます」とコメントした。
ソナー社は、この買収の機会を通じて、シンガポールに研究開発拠点を構築し、2025~2026年に15名の研究開発職を創出する予定である。この研究開発チームのリーダーには、AutoCodeRoverのCEO兼共同創設者であり、NUS Computingの元博士課程の学生であるリドワーン・シャリフディーン(Ridwan Shariffdeen)博士が着任する予定である。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部