ベトナムのハノイ工科大学(HUST)は3月10日、学生の語学力やソフトのスキル、企業文化、異文化認識の促進を図ることを目的として、運送事業等を手掛ける日本の福山通運株式会社と了解覚書(MoU)を締結したと発表した。
HUSTは2021~2025年の開発戦略の一環として、国際化やイノベーション、デジタルトランスフォーメーション、持続可能性に重点を置き取り組んでいる。日本との関係強化は、2023年の日本・ベトナム外交関係樹立50周年以降も、引き続き重要な優先事項となっている。HUSTと福山通運株式会社のパートナーシップは、特に教育や研究における日本の学術機関との協力を強化し、大学の国際的な地位を向上させる。
HUSTは、MoU締結の当日、福山通運株式会社と福山市立大学をスポンサーとして、交通に関する第1回日本語スピーチコンテストを開催した。このコンテストは、HUSTとベトナム北部の5つの大学(ベトナム国家大学、貿易大学、ハノイ大学、ハロン大学、タンロン大学)からの学生が参加した。HUSTの代表には、日本とのメカトロニクス共同プログラムの第67期生であるグエン・ニャット・アィン(Nguyen Nhat Anh)氏が選ばれ、ハノイの交通渋滞に関する影響分析を行い、機械工学的視点からの解決策を提案した。HUSTはこのコンテストで3位に入賞した。
この開会式に出席した日本の飯島勲内閣官房参与 は、コンテストの国際的な意義を強調し、日本語作文・スピーチコンテストが7か国10カ所で開催されていると述べた。また、HUSTのフイン・クエット・タン(Huynh Quyet Thang) 学長は、開会の挨拶で、このイベントが学生たちに日本語への情熱を共有させ、交通意識を高めるきっかけとなることを期待すると述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部