シンガポール首相府(PMO)は3月12日、ローレンス・ウォン(Lawrence Wong)首相兼財務相がベトナムのトー・ラム(To Lam)書記長の訪問を受け、二国間関係を包括的戦略パートナーシップに格上げする共同記者会見を行ったと発表した。
ベトナム共産党書記長のシンガポール訪問は2012年以来となる。当時のグエン・フー・チョン(Nguyen Phu Trong)書記長の訪問は、シンガポールとベトナムが、その1年後に戦略的パートナーシップを確立する道を開くものであった。この戦略的パートナーシップは、貿易・投資、金融、安全保障・防衛、教育・訓練などの分野での協力を強化し、両国の関係発展に大きく貢献した。
今回、両国は二国間関係を包括的戦略パートナーシップ(CSP)に格上げすることに合意した。このCSPは、シンガポールにとってASEAN加盟国との初めてのものであり、両国間の高い信頼関係と協力の実績を反映したものである。
このCSPは、これまでの戦略的パートナーシップを基盤としながら、デジタル経済、グリーン・再生可能経済、炭素クレジットなど、新興分野に協力を拡大し、両国のイノベーション主導のグリーンな成長を促進する。CSPの下での協力は、ASEANデジタル経済枠組み協定と、ASEANパワーグリッドの基礎を整備し、地域のレジリエンス強化にも寄与する。
このCSPの具体的な取り組みとして、両国は複数の了解覚書(MoU)や協定を締結した。これらの合意は、今後の二国間関係の発展を見据えたものであり、持続的な協力の基盤となる。
ウォン首相兼財務相は「今日私たちが目にする不確実な世界において、シンガポールとベトナムのような志を同じくする国家が、二国間でも、またASEANを強化するためにも、緊密に協力することがより重要となっています。これはまさに、私たちがCSPを通じて実行しようとしていることです」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部