2025年04月
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ブロックチェーンとWeb3分野での人材育成ネットワークを設立 フィリピン科学技術省

フィリピン科学技術省(DOST)は、傘下の先端科学技術研究所(DOST-ASTI)が、ブロックチェーン技術とWeb3分野での人材育成を目的とした「ヒラヤ(フィリピンの古語で「夢」や「希望」)・ネットワーク」の設立を発表したことを伝えた。国営フィリピン通信社(PNA)が3月28日に伝えた。

イベントで講演するDOST-ASTIの上級科学研究スペシャリストであるロクサンヌ・アビニャンテ(Roxanne Aviñante)氏
(出典:PNA)

これは、ブロックチェーン技術の普及と活用の促進を行う米国のアプトス財団と連携した取り組みで、該当分野で研究や社会実装を進めるフィリピン人イノベーターと研究者を支援するものだ。3月27日にタギッグ市で開催されたイベントで本プロジェクトが発表された。プログラムに参加するイノベーターや大学、スタートアップなどは、アプトス財団のグローバルなネットワークへのアクセス、資金調達、トレーニング、スキル開発などの支援を受けることができるようになるという。

パートナー団体であるブロックチェーン先導機構・知識センター(BLOKC)CEOのエマーソン・フォンセカ(Emerson Fonseca)氏は、「フィリピン国内の多くの才能に対し、投資家との接点を提供することが、私たちの役割です」と意気込みを語った。さらに、PNAの取材に対しDOST-ASTIの上級科学研究スペシャリストであるロクサンヌ・アビニャンテ(Roxanne Aviñante)氏は、「新興技術の社会実装には官民パートナーシップが不可欠です。アプトス社との連携は、能力開発と研究開発のための技術連携を重要視しています。同社が得意とする分野は、政府サービスの透明性の向上にも重要であり、不正防止に貢献するものです」と述べた。

さらにアプトス財団のアジア太平洋地域マーケティング責任者トーマス・チョウ(Thomas Chou)氏は、韓国のSKテレコム(SK Telecom)社と同社が連携してWeb3対応のウォレットを開発した事例を紹介し、「大学との連携を通じてフィリピンでも同様の技術人材を育てたい」と展望を語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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