ベトナム科学技術省(MoST)は4月16日、ベトナムのハノイで開催された第4回グリーン成長と2030年グローバル目標に向けたパートナーシップ(P4G)サミットにおいて、ファム・ミン・チン(Pham Minh Chinh)首相が主宰したハイレベル討議「持続可能で人間中心のグリーントランジション」にて、今後の国際協力の方向性を提案したことを発表した。
同首相は開会の挨拶で、本討議は各国が知見を共有し、次の3つの側面に基づいた行動計画を構築する契機となると述べた。1つは包摂的で公正なグリーン制度の構築と市場を基盤とした資源配分、もう1つはグリーン経済の強化、そして国際協力枠組みと多主体・多分野の連携の構築である。
さらに同首相は、P4Gを官民連携を促進する国際的なプラットフォームと位置づけ、気候変動の影響を最小限に抑えるための資金支援と技術提供を継続すべきだと提案した。特に先進国が、開発途上国や後発開発途上国のグリーントランジション実現を支援するために、資金、技術、管理ノウハウの提供において主導的な役割を果たすよう呼びかけた。そのうえで、グリーントランジションや持続可能な開発プロジェクトへの投資を後押しするため、官民パートナーシップ(PPP)、三者間協力、南南・南北協力の推進による仕組みづくりが重要であると強調した。
会議では、参加各国の代表がグリーントランジションの利点と課題、政策上の優先事項、解決策について共有。持続可能な開発目標(SDGs)の期限まで残り5年となる中、多くの目標が遅延または後退している現状や、気候変動と自然災害が深刻化していることなどから、人間中心のグリーントランジションが喫緊の課題であるとの認識で一致した。
同首相は「グリーントランジションとグリーン成長は不可逆的な潮流であり、現在の情勢下ではグローバルで全人類的かつ包括的なアプローチが必要です。その上で、すべての取り組みは人間を中心に据え、経済成長のために社会的・環境的進歩を犠牲にすべきではありません」と訴えた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部