タイのチュラロンコン大学は5月1日、同大学の交通研究所が物流・サプライチェーンマネジメント学際プログラム、アジア研究所、持続可能性のための環境研究所と連携し、「貿易戦争時代のタイの輸送と物流」をテーマとしたセミナーを4月28日に開催したことを発表した。
セミナーは、米中貿易摩擦や米国の輸入関税政策といった貿易戦争ともいえる事態がタイの物流産業に及ぼす影響について、政策レベルと実務レベルの両面から分析し意見交換することを目的とし、世界的な経済不安定化の中でタイ企業がどのように適応していくべきかについて、多分野にわたる視点で議論した。
セミナーでは、物流業界や学術分野の専門家が登壇し、講演とパネルディスカッションが行われた。
チュラロンコン大学のウィラート・プリワット(Wilert Puriwat)学長は、学術機関同士の連携の意義を強調し、「講演者らが共有した知見は貿易戦争を貿易平和へと転換するための発想を生みだす可能性があります」と語った。交通研究所のサクシット・チャレムポン(Saksith Chalermpong)所長は、貿易戦争がタイ物流業界に与える影響を指摘し、「国際貿易依存度が高いタイ経済にとってリスク評価と管理が重要です、このセミナーでの起業家の声や提案は、政府が貿易交渉を進める上で貴重な情報となるでしょう」と語りセミナーを締めくくった。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部