2025年06月
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国家AI戦略、イノベーション推進の主要な取り組みを発表 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は5月2日、レナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相が、ケソンで開催された2025年国家イノベーションデーの記念式典で、DOSTの研究開発プログラムを通じてイノベーションを推進するための主要な取り組みを発表したことを明らかにした。

2025年国家イノベーションデー記念式典で講演するレナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相
Photo by Karen Vivien Conducto, DOST-Office of the Secretary (出典:DOST)

人工知能(AI)が地域の医療や農業、教育、災害レジリエンスにいかに影響を与えているかは驚くべきことではない。新しいコンテンツやアイデアを生み出す生成AIや空間に影響を与えるスパーシャルAIは、パーソナライズされた学習、気候変動対応型都市、精密農業、災害対応、スマートエネルギー、自律輸送、国家安全保障、金融包摂などを推進し、AIチューターや予測システム、自動化サービスなどのイノベーションを通じて、教育や持続可能性、レジリエンス、安全、経済的アクセスを向上させている。

イノベーションはアクセス可能で、倫理的で、現実の社会的ニーズに応えるものでなければならない。DOSTは、AIが包括的なイノベーションを推進し、ガバナンスとコミュニティを強化・向上させ、世界的に競争力のある産業を推進する統一された国家戦略を構想する。同相は、2025年国家イノベーションデー記念式典の基調講演で、DOSTがフィリピンの国家AI戦略(NAIS Ph)を提案したことを明らかにした。このNAIS Phは、2028年までのフィリピンにおけるAIの開発、展開、ガバナンスの指針である。

この戦略は、農業、教育、スマートシティ、クリエイティブ産業、国家安全保障におけるAIの応用を支援するものであり、フィリピンの主要な機関であるDICT、DOST、DepEd、CHED、TESDA、DTI、DOLE、PSAなどが推進し、民間セクターと連携し、統合されたAIエコシステムの形成を目指す。

同相は、「現在のAIに関する取り組みは、インフラ整備、スキル強化、技術革新、政策形成に焦点を当てています。その中心にあるのは、インフラ、人材、イノベーション、倫理と政策、展開の5つのコア戦略であり、すべて2024年から2028年まで段階的に進められます」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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