2025年06月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2025年06月

気候変動に取り組む学際的な新イニシアチブ発足 シンガポール国立大学

シンガポール国立大学(NUS)は5月6日、気候変動の課題に取り組む学際的かつ分野横断的な協力を推進するため、研究エコシステム全体の専門知識を結集したイニシアチブであるNUSサステナブル・フューチャーズ(NUS SF)を発足することを発表した。

NUS SFを率いるNUS副学長(サステナビリティ・レジリエンス担当)兼チーフサステナビリティサイエンティストのコー・リアン・ピン(Koh Lian Pin)教授は、学界と政策立案者、産業界、市民社会を橋渡しする全学的な戦略を通じて、気候変動と生物多様性の損失という2つの地球規模の危機に取り組んでいる。

NUS SFは、NUSの研究者が結集し、サステナビリティ領域を横断し、地域やアジア全域の業界や政府パートナーを含むステークホルダーと協力することで、ミッションドリブン型の問題解決を進める。これらに加えて、NUS SFは、気候、保全、サステナビリティの科学と実用的な研究に根ざした継続的な教育トレーニングプログラムを開発・提供するための大学とその主要なパートナーによる取り組みを補完する役割を担う。この目的は、サステナビリティ分野の専門家が有意義なキャリアの移行を計画し、重要な政策問題に対処し、規制要件を満たすための知識を身に付けられるようにすることである。

NUS SFはこれまで、NUSの研究者が低炭素エネルギーシステムやその他のサステビリティ関連の研究のために約500万シンガポールドルの外部資金を確保するのを支援してきた。今後12カ月間で、政府や業界パートナーから追加の資金を調達することを目指す。NUSは、3つの研究重点分野とNUS SF傘下のNUSサステビリティ・アカデミーを支援するため1000万シンガポールドルを投資する。

同教授は、「NUS SFの発足は、始まりに過ぎません。大学からシード資金を提供し、学際的で分野横断的な研究プロジェクトを支援し、サステナビリティ・アカデミーを通じて能力開発を行います。官民のパートナーシップによって推進されるNUS SFは、環境に優しく、回復力があり、低炭素の未来を構築するための青写真です」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る