2025年06月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2025年06月

言語とAI分野での産学連携を強化 マレーシア科学大学

マレーシア科学大学(USM)は5月13日、USM言語・リテラシー・翻訳学部(SoLLaT)が、多言語教育や学生の流動性、言語学習における人工知能(AI)の利用などを戦略的に推進するため、P2Pタレントデベロプメント(P2P Talent Development PLT)社との合意覚書(MoA)とSISTEC AI Sdn Bhd社との了解覚書(MoU)をそれぞれ締結したと発表した。

P2Pタレントデベロプメント社とのMoAは、ASEAN諸国と中国の学生がマレーシアの多様な言語や文化に積極的に触れることで、異文化学習体験を促進するように設計されたアジアリンクAIモビリティプログラムにおける共同作業に焦点を当てる。この取り組みには、スキルアップやプロジェクト管理の承認、地域交流が含まれている。一方、SISTEC AI Sdn Bhd社とのMoUは、AIを活用した翻訳ツールや教育ツールの共同開発を目的とする。

この調印式には、USM副学長を代表して、研究・イノベーション担当副学長のハビバ・ア・ワハブ(Habibah A Wahab)教授、SoLLaT学部長のハズリ・ジャミル(Hazri Jamil)教授、P2Pタレントデベロプメント社CEO のオニール・リム・グアット・メン(O'Neil Lim Guat Meng)氏、SISTEC AI Sdn Bhd社CEOのタン・エンヤ・コング(Tang Enya Kong)博士らが出席した。

調印式のハイライトの1つは、SISTEC AI Sdn Bhd社が、SoLLaTの20台のコンピュータで1年間有効なSiSTeCATIソフトウェアライセンスの寄贈に関する1万リンギット相当の模擬小切手の贈呈であった。このソフトウェアライセンスの寄贈は、言語研究者や教育関係者に最先端のツールで支援するSISTEC AI Sdn Bhd社の取り組みを表している。

USMのワハブ副学長は、学生に将来に備えたスキルを身に付けさせ、イノベーションを推進する上での産学連携の価値を強調した。また、SoLLaTのジャミル学部長は、P2Pタレントデベロプメント社とSISTEC AI Sdn Bhd社との締結が、多言語や異文化コミュニケーションのリーダーになるというSoLLaTのミッションに合致していることを強調し、産学連携による成果に期待を寄せた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る