2025年07月
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インドネシアとフランス、外交関係樹立100周年に向け「共同ビジョン2050」を宣言

インドネシアは、フランスとの外交関係樹立100周年に向けて、両国間の戦略的パートナーシップを強化するための共同ビジョン2050の宣言を発表した。インドネシアのポータルサイトPortal Informasi Indonesiaが6月1日に伝えた。

ボロブドゥール寺院での記者会見後に握手を交わすプラボウォ・スビアント大統領(右)とエマニュエル・マクロン大統領
ANTARA FOTO/Galih Pradipta (出典:Indonesia.go.id)

プラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)大統領とフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は5月28日、インドネシアのムルデカ宮殿において、共同ビジョン2050に署名した。この長期的な戦略文書は、インドネシアとフランスの外交関係樹立100周年に合わせて、2050年までの主要分野の協力の道筋を示している。式典では、この署名に加えて、官民部門の以下の分野をカバーする21の二国間協定に署名が行われた。

  • エネルギーと移行:太陽光発電とバッテリー貯蔵への投資
  • 防衛と軍備:技術移転と軍備の近代化
  • 食料と栄養安全保障:ダノン(Danone)社とインドネシア国家栄養庁(BGN)に支援による無料食事プログラム
  • 創造経済と文化:衣食に関わるプロモーション
  • 交通と海事:フランスのニースで開催される国連海洋会議に向けた共同の取り組み
  • 観光人材:人材育成と国際認証

インドネシアのアイルランガ・ハルタルト(Airlangga Hartarto)調整相(経済)は、インドネシアとフランスの間で締結された27件の了解覚書(MoU)の総額が110億米ドル(約179.25兆ルピア)に達したと報告した。これらのMoUは、政府間、企業間、市民間の協力を含むもので、多くはインドネシア・フランスビジネスフォーラムにおいて最終決定された。

スビアント大統領は共同声明の中で、「フランスはインドネシアの防衛システムの近代化における重要なパートナーであり、持続可能な未来を築く上で重要な友人である」と強調した。一方、マクロン大統領は、両国の関係について、「文化、科学、イノベーションの上に築かれたパートナーシップであり、今後も繁栄し続けるもの」と表現した。

フランス大統領の今回の公式訪問は、マゲランにあるボロブドゥール寺院や軍事アカデミーが含まれており、単なる公式外交ではなく、文化遺産に根ざした未来に向けてインドネシアとフランスを導く、「歴史の息吹」と「運命共同の風」を体現するものとなった。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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