ブルネイ工科大学(UTB)は6月5日、ブルネイ・ダルサラームのデジタルトランスフォーメーションにおける重要なマイルストーンとして、AI Ready ASEANプログラムが正式に開始されたと発表した。
AI Ready ASEANプログラムは、ASEAN Foundationがグーグル・ドット・オーグ(Google.org)社の支援を受けて、ASEANに加盟する10カ国550万人の個人に人工知能(AI)のスキルを習得させ、能力を高めることを目的とする。この画期的な取り組みは、若者や教育者、保護者を含めたASEANの人々が責任ある倫理的な方法でAIを活用し、デジタル時代に成功するための準備である。
ブルネイでは、ASEAN Foundationがブルネイの2万人の人々を支援するため、UTBとビッグBWNプロジェクトという2つの現地実施パートナーと緊密に協力している。
AI Ready ASEANプログラムのプログラムマネージャーであるディエラ・ガラ・パクシ(Diera Gala Paksi)氏は、「2024年のレポートによると、東南アジアは300億米ドルのAI投資を引き付け、2030年までにASEANのGDPを10~18%押し上げる可能性があります。これは、AIリテラシートレーニングの必要性を強調しています」と述べた。
このプログラムの発足式は、情報通信技術産業庁(AITI)の支援を受け、デジタル・フューチャー・カンファレンス&エキシビション(DFCE)2025の開催と併せて行われた。式典では、ASEAN Foundationと現地実施パートナーとの間で資金援助に関わる文書が交わされ、「コーディングの時間」と題する参加者向けワークショップが開催された。このワークショップは、AIに関するプログラムの啓発キャンペーンにおける主要な活動の1つである。
AI Ready ASEANプログラムは、情報格差を解消し、ブルネイを含めた東南アジアのコミュニティが AI主導の未来に向けて、十分な準備を整えるための共同の取り組みである。このイニシアチブは、包括的なトレーニングや啓発キャンペーン、実践的なワークショップを通じて、ASEAN全体でデジタルリテラシーとAI対応能力を備えた人々の育成を支援する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部