2025年07月
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水管理分野での国際的貢献、ユネスコで表彰 マレーシア科学大学

マレーシア科学大学(USM)は6月16日、河川工学および都市排水研究センター(REDAC)がユネスコの周年記念式典において、水管理分野における国際的な貢献を評価され、3つの表彰を受けたと発表した。

式典は6月11~13日にフランス・パリのユネスコ本部で開催され、ユネスコ政府間水文学計画(IHP)の50周年とユネスコ水科学60周年を記念するものであった。USMは、研究・教育・技術革新を通じた持続可能な水管理への貢献により、以下の3点で評価を受けた。

1点目は、アジア太平洋地域における持続可能な水インフラの構築に関するユネスコエコ水理学講座の取り組みに対し、任期が2025~2028年まで延長され、記念盾が授与された。これは、REDACが国連の持続可能な開発目標(SDGs)目標6に向けて、水の安全保障や教育、地域社会支援に取り組んできたことを評価するものである。

2点目は、同大学の工学キャンパスがユネスコの生態水文学実証サイトに認定された点である。ここに導入されたバイオエコロジカル排水システム(BIOECODS)は、都市排水の質と量の管理を両立する設計となっており、マレーシア都市雨水管理マニュアル(MSMA)の基準にも適合する。REDACは、この取り組みをマレーシア排水灌漑局(DID)およびクアラルンプール湿潤熱帯センター(HTC-KL)の支援と連携により実現させた。

3点目は、大学院課程に対するユネスコ-国際水利学会(IAHR)の教育ラベル認定である。対象となったのは、「河川および都市排水管理」分野の博士課程と修士課程であり、現代の水問題に対応できる高度専門人材の育成を目的としている。プログラムには、河川管理、都市排水、水理情報学、環境水理学といった分野が含まれる。

式典では、REDAC所長のチャン・チュン・キアット(Chang Chun Kiat)博士が代表として登壇し、「今回の認定は過去の功績への評価であると同時に、今後も東南アジアの水政策と人材育成に貢献し続けるという我々の意思の表れです」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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