2025年08月
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タンパク源として米の過剰摂取に警鐘、健康リスク高める フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は7月10日、研究者が2023年の国民栄養調査の結果から、米や米を原料とした食品がフィリピン人の平均的なエネルギー摂取量の約50%を占め、バランスの取れた推奨値を超えていると警鐘を鳴らしていることを明らかにした。

(出典:DOST)

これは、DOST傘下の食料・栄養研究所(DOST-FNRI)のシニアサイエンスリサーチスペシャリストであるエヴァ・ゴイエナ(Eva Goyena)博士が、第51回FNRIセミナーシリーズで講演したハイライトの1つである。

同博士によると、米にはチアミンやナイアシンなどのビタミンや、亜鉛やリンなどのミネラルが含まれている。また、ビタミンEやマグネシウム、カリウム、マンガンなどの栄養素は、精米の過程で失われるが、精米前の玄米にはこれらの栄養素が含まれている。さらに、赤米など一部の種類の米は、抗酸化物質であるアントシアニンが多く含まれている。それにもかかわらず、既存の品種の米(白米または玄米)を単独で食べても、健康に最適な微量栄養素を摂取できない。

フィリピンは豊かな生物多様性があり、魚、卵、肉などのタンパク質が豊富な食品を入手できる。しかしながら、米はフィリピン人の食生活における最大のタンパク質とエネルギー源として消費され、健康的で栄養価の高い食品がないがしろにされてきた。

DOST-FNRIが主導するFRESHプロジェクトでは、フィリピン人の果物や野菜、タンパク質が豊富な食品の消費量が、推奨される量よりも少ないことが明らかになった。フィリピン人の食事の多くは、炭水化物が多く、栄養バランスが悪く、長期的な健康リスクにつながる可能性がある。特に運動不足で米やその他エネルギー密度の高い食品の過剰摂取は肥満の原因となり、糖尿病や高血圧、心血管疾患などの非感染性疾患のリスクを高める可能性がある。

DOST-FNRIは、新鮮な食材が豊富な多様でバランスの取れた食生活を提唱しており、良好な栄養が病気を予防し、より健康で回復力のあるフィリピン人を育むための鍵であると強調する。同博士は、「私は、お米を食べてはいけないとは言っていません。適量を摂るべきですと言っています。そして、お皿の半分は、果物や野菜を摂るべきです」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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