ベトナム科学技術省(MoST)は7月29日、研究・生産・市場をつなぐ拡張プラットフォーム「ベトナム科学技術取引所」を6月30日に開設したと発表した。
世界知的所有権機関(WIPO)や世界銀行の調査では、技術市場が発達した国はR&Dや特許商業化への投資額が、発達していない国と比べて3~5倍高いことが報告されている。技術交流モデルは1990年代から米国、欧州、中国で存在しており、ハブとしてだけでなく、評価、価格設定、法務・財務・知財コンサルティングなどのサービスを統合する機能も果たしており、これらの機能が不可欠であることが分かっている。
ベトナムの科学技術副大臣であるホアン・ミン(Hoang Minh)氏は、本取引所が国家技術市場にとって有望なスタートであり、需要と供給を結びつける基盤になると強調した。取引所は官民連携モデルで運営され、政府はインフラやオンライン基盤、共有科学技術データベース、プラットフォーム上での技術取引を後押しする投資と政策支援を行う。多くの専門家は、技術評価の課題克服と知財の資産化の促進が必要であると提言している。
初期段階では、約600件の提供技術、50件の技術需要、150社のコンサル・仲介業者情報を提供する。プラットフォーム上で組織、企業、個人はバーチャルブースに技術・製品を展示できる。11月までに、オンラインマッチング、技術コンサルティング、仲介、データ分析、金融・知財・技術移転サービスなどが追加予定だ。
オンラインと物理拠点を組み合わせたハイブリッドモデルにより運営されるこの取引所により、技術取引の効率向上と国内イノベーションの加速が期待されている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部