2025年09月
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応用AIと人材育成を目的にグーグルと戦略的提携を開始 シンガポール国立大学

シンガポール国立大学(NUS)は8月1日、グーグル(Google)社と応用AI研究の加速と高度AI人材育成を目的とした戦略的提携を開始すると発表した。

両者はNUSコンピューティング創立50周年記念ガラディナーで、共同研究イノベーションセンター設立に関する協定を締結した。提携は教育、法律、医療分野におけるAI活用を推進し、シンガポールのAIイノベーションと人材の国際的ハブ化を後押しする。

共同センターは、さまざまな分野にわたる実験的・応用的なAIプロジェクトを推進するリソースとテクノロジーを結集する。Google CloudのTensor Processing Unit(TPU)を活用したラピッドプロトタイピング環境を整備し、現実環境導入前の実験・検証を行う。重点分野は、成人教育向けのAI駆動型学習支援ツール開発と評価、シンガポール法に特化した法学修士(LLM)課程と法務調査を支援するAIアシスタントの構築、基礎モデルと多様な医療・社会データ統合による予防医療支援などである。

人材育成面では、グーグルが支援する教授職をNUSに新設し、AI分野での学術的リーダーシップを強化する。加えて、学生・研究者向けにGoogle Cloud AIプラットフォームとツールに関するトレーニングや認定資格取得の機会を提供し、産業界と学界をつなぐ実践的研究プロジェクトを促進する。

NUS副学長のリウ・ビン(Liu Bin)教授は「この共同センターは、NUSのAIと学際研究におけるリーダーシップと、グーグルの深い研究専門知識、先進技術とツール、そして研究成果の移転と展開のための確立された道筋を融合させるものです」と述べた。Google Cloudシンガポール・マレーシア担当ディレクターのセリーン・シア(Serene Sia)氏は「NUS の世界クラスの学際的研究能力と、グーグルの世界クラスのAI研究およびAIに最適化されたクラウドインフラストラクチャを組み合わせることで、この共同センターは安全で責任ある AI を推進する態勢が整っています。さまざまな開発を促進し、公衆衛生、学習体験、その他の重要な分野を変革する科学の進歩を加速します」と語った。

この提携は、シンガポールのデジタル変革アジェンダを支えるとともに、同国の研究エコシステムの国際競争力を高める戦略的ステップとなる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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