2025年09月
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新型ビームフォーマー開発、6G無線通信の技術革新へ シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は8月19日、次世代6G無線通信を支える新しいビームフォーマーデバイスを開発したと発表した。研究成果は学術誌Natureに掲載された。

(出典:NTU)

6G通信はかつてないデータ通信速度を可能にするが、散乱や信号損失が発生しやすいテラヘルツ波に依存していることが、実用化の障壁となっている。ビームフォーマーはテラヘルツ波を一定の方向に集中させ、信号対ノイズ比を向上させる技術だ。NTU物理数学学部のランジャン・シン(Ranjan Singh)教授の研究チームは、テラヘルツ波を300mmの長距離かつ複数方向への同時伝送を実現する新型ビームフォーマーを開発した。このビームフォーマーのチップは、毎秒40ギガビットの速度で8方向に同時伝送し、4方向でリアルタイム高精細テレビ配信を可能とする初めてのデバイスだ。

このチップは、菱形ユニットセルの格子から成り、各セルは正三角形の空孔2つで構成されている。チップに入力される信号は空孔の縁に沿って伝わることで散乱から保護され、安定的に伝送される。

研究者らは、本成果が高性能な無線通信を実現することで、新たな技術革新につながるだろうと期待している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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