フィリピン科学技術省(DOST)は8月22日、傘下の森林産品研究所(DOST-FPRDI)がアブラ州のナマラバール藍天然染料生産者協同組合(NINDPC)と提携し、天然染料を活用した環境配慮型木材用染料の開発を進めると発表した。

(出典:DOST)
本事業は、DOST産業・エネルギー・萌芽技術評議会 (PCIEERD)が資金提供するプロジェクト「天然染料を用いた環境に優しい木材用ステインの開発」の一環である。NINDPCが持つ藍などの天然染料の栽培・抽出技術をFPRDIが取り入れ、家具や手工芸品向けに持続可能な仕上げ材を創出することを目指す。
フィリピンでは布染めに使われる植物由来の染料は約65種確認されている。しかし家具や工芸品の仕上げ用染料は依然として輸入依存が大きく、国内生産品は合成染料に由来する揮発性有機化合物(VOC)を多く含む場合がある。プロジェクトリーダーのアラリン・クイントス=コルティゲラ(Aralyn Quintos-Cortiguerra)氏は「天然染料は再生可能で環境負荷が少なく、木目を生かした独自の色合いを実現できます」と説明した。
DOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は「今回の取り組みは地球と人類にとっての勝利であり、地域社会にグリーンイノベーションの機会を広げるものです」と強調した。さらにNINDPC会長のルイス・アガイド・ジュニア(Luis Agaid Jr.)氏は、浸漬や煮沸による染料抽出を実演し、フィリピン・日本・インドの藍、チーク、サッパン、ラグンディ、タワタワ、タリサイなど主要植物の標本収集をFPRDIと行った。
DOST-FPRDI所長のリコ・カバンゴン(Rico Cabangon)博士は「国産天然染料を応用することで輸入や合成着色料への依存を減らし、地域産業と環境に貢献できます」と述べた。本取り組みは、DOSTが掲げる「OneDOST4U」ビジョンに基づき、幸福、富の創造と保護、持続可能性の4本柱を具現化する活動の一つである。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部