2025年10月
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気象・気候研究を推進し人材育成を図る国家プラットフォームを設立 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は9月5日、シンガポールの国家環境庁(NEA)、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、シンガポール国立大学(NUS)と気象・気候科学の研究を推進し人材育成を図るための国家プラットフォームとして、気候気象研究連合(CAWRAS)を設立したと発表した。

(出典:NTU)

CAWRASの初期事業として、総額2500万シンガポールドル規模の気象科学研究プログラム(WSRP)が研究・イノベーション・エンタープライズ計画2025の下で開始される。シンガポール気候研究センター(CCRS)が主導し、主要な研究機関を結集して国の気象科学力を拡大する。近年の高解像度モデリングや人工知能(AI)、観測ネットワークの進展を活用し、気象予測の精度向上を目指す。将来的には長期的な気候研究へも対象を広げる予定である。本プログラムでは、気象観測データの高度利用、次世代気象・気候モデルの開発、東南アジア地域の過去気象の再解析、高度な後処理技術による予測精度向上の4分野で10件の研究課題が採択された。

NTU副学長(研究担当)のエルンスト・カイパース(Ernst Kuipers)教授は「NTUは地球科学や環境科学の実績に加え、地球観測所や気候変革プログラムといったインフラを活用し、AIやリモートセンシングを統合した熱帯気象予測で独自の強みを持っています。医学、公衆衛生、環境工学、都市レジリエンスなどの分野と連携し、シンガポールを地域の研究拠点としてさらに強化していきます」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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