インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は9月22日、太陽電池技術の最先端研究を共有する「第2回先進太陽光発電シンポジウム2025」をオンラインで開催したと発表した。
同シンポジウムは、BRIN電子情報科学研究機構(OREI)のエレクトロニクス研究センター(PRE)が主催し、9月23~24日にZoomを通じて実施された。テーマは「次世代太陽光発電技術の最近の進歩と課題」で、太陽光発電を次世代の持続可能なエネルギー源として発展させることを目的とした。2023年に成功を収めた第1回会合に続き、隔年で開催される国際的な研究交流の場となっている。
PREのユスフ・ヌール・ウィジャヤント(Yusuf Nur Wijayanto)センター長は「太陽電池研究は、世界的に発展が続く代替エネルギー分野の中心です。効率と信頼性の向上は常に重要課題であり、これはSDGs目標7にも合致します」と述べた。今回のシンポジウムは、太陽光発電分野の最新研究成果を共有するだけでなく、機関間の共同研究や国際的な連携を促進する目的も持つ。関係機関の強みを生かした協働により、太陽光発電技術の社会実装を加速させることも期待できる。
PRE の准専門研究員でシンポジウム責任者のマリア・ウルファ(Maria Ulfa)氏は「BRINとインドネシア太陽エネルギー研究機構の共催により、国内外の研究者が知識を共有し、技術的議論や国際協力を深める場を提供します」と説明する。議論の範囲は、統合型太陽電池デバイスや薄膜太陽電池(CZTS、CIGS、ケステライトなど)、エネルギー変換技術、材料シミュレーション、製造・耐久性向上など多岐にわたる。
日本、中国、イタリア、韓国、シンガポール、ドイツ、インドネシアなど各国の研究者が参加し、若手研究者による発表セッションも実施された。マリア氏は「本会を通じて新しい知見が共有され、インドネシアが抱える課題の解決につながることを期待しています。このシンポジウムが研究者の連携をさらに強化し、インドネシアにおける太陽エネルギーの大規模利用の実現に近づくことを願っています」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部