2025年11月
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零細・中小企業(MSME)支援強化とロボティクス拠点を開設 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は10月13日、フィリピンのカガヤン・バレー地域の地域科学・技術・イノベーション週間(RSTW)にあわせ、零細・中小企業(MSME)支援の強化と、ヌエバビスカヤ州にあるセント・メアリーズ大学でのアダプティブ・ロボティクス技術およびインテリジェント・コンピューティング・センター(ARTIC)開設を発表した。

ヌエバビスカヤ州にあるセント・メアリーズ大学に開設されたARTICの開所式において、アダプティブ・ロボティクスの使用法を実演
Photo by Allan Mauro V. Marfal, DOST-STII (出典:DOST)

MSMEはフィリピン国内企業の99%超を占め、雇用の大半を生み、国連開発計画(UNDP)の推計でGDPの約40%を担う。フィリピンではMSMEの競争力を高めるDOSTの主要プログラムとしてSmall Enterprise Technology Upgrading Program(SETUP)が進められている。DOST第2地域事務所ディレクターのバージニア・G・ビルゲラ(Virginia G. Bilgera)博士は、同地域だけで1000以上のMSMEを支援してきたと説明した。今年は51社に対し総額8000万フィリピンペソ以上を拠出し、2002年の開始以来では1190社を超えるMSMEを後押ししたという。

ARTICは食品産業の生産・加工・流通に適応型ロボットとインテリジェントコンピューティングを統合し、生産性向上、食品安全、品質管理、持続可能性の向上を狙う。DOSTの産業・エネルギー・萌芽技術評議会(PCIEERD)のエンリコ・パリンギット(Enrico Paringit)事務局長は「MSMEがロボットを活用して業務プロセスを自動化する方法について、新たな視点を提供する必要があります」と語った。

DOSTのレナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相は「ロボットに任せるのは、誤りが致命的な結果を招く可能性のある繊細な作業、人の命に関わる作業、あるいはプログラムや生産を加速させる作業です。企業が成長すればするほど、特に営業部門ではより多くの人材が必要になります。しかしロボットを操作・管理する人材が不足しています。学校でこのスキルを教えることが重要です」と述べた。ARTICは学生への実習機会を提供し、地域課題の解決に資する科学技術人材の育成基盤となる。

RSTWは、DOSTが掲げる「OneDOST4U」ビジョンに基づき、幸福、富の創造と保護、持続可能性の4本柱を具現化する活動の1つである。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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